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マイスキーを聴いた後は、同じく中島公園にある道立文学館へ


特別展 吉村昭と北海道~歴史を旅する作家のまなざし~を見てきました。

黒部ダムの工事初期を書いた「高熱隧道」を読んで以来、気になっている吉村昭。
最近、北海道に関する作品も多いことを知ったのだけど、タイムリーな催し物。ラッキー

正直言って、吉村作品は重いので、好き、というほどではない。
沢山人が死ぬのは苦手なので、辛くて本を閉じたくなることもある。
展示の中に「終始一貫して人間の異常状態を追求」とあった。
納得。
でもなぜか、たまには読まなきゃ、って気になるのですよね。

道新出版の出していた月刊ダンに連載された取材ノートはとても興味深い。
三毛別羆事件についてや太平洋戦争勃発前夜、択捉に日本軍が集結していた話など(それぞれ「羆嵐」と「大本営が震えた日」になっている)の取材についてかなり詳細に書いている。

一貫して徹底した取材を貫いていて、戦争モノに関しては証言者の高齢化と取材困難を理由に筆を折っていることが印象的。

戦争モノは膨大な資料から取捨選択によって作品を構成する。それに対して歴史モノは数少ない資料を駆使してその間隙を埋める。だから作家のその時代に対する確乎とした考えを基に、その時代に生きた人間の把握が必要となる。歴史モノは史実の拘束を受けながら自由に筆を伸ばせる。


と書いてあって、これはもう、思わずチケットの裏に手書きでメモメモ。
そっかぁ~、そうなんだ~
なんだかこういう記述に触れると、作品を読むだけでない面白味を感じます。

夫婦で作家だったようで、そういった一面も紹介されていました。

吉村昭は東京日暮里の出身なのだけど、何故これほど北海道に足しげく通い、小説の題材にしたのだろう。
若い時から病に苦しみ、苦学し、決して恵まれていない彼の人生と、北国の厳しい自然や生活が呼応したのかな。。。
何かを作り出すということはストイックでなければ為せない技だと思うけれど、この人はその中でも抜きん出た存在なのだろうな。

この冬一番の冷え込みっていう日に見るにふさわしいものでした
2010.12.01 / Top↑
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