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津軽プチトリップの一番の目的は、本当は八甲田でも桜でもなくて↓コレだった。

先般、弘前劇場の長谷川さんの本
弘前劇場

を読了し、札幌公演を楽しみにしていたところだったのだけど、GWに太宰原作「津軽」を@津軽(青森)で上演するという。
本を出版された寿郎社の土肥さんにもお話を伺って、海を越えて観にいくことにした。


太宰を読んだのは、ご多分に漏れず中高時代だったと思う。
劇中でも、誰しも必ず一度は太宰の’はしか’にかかる、という台詞があった。
私は’はしか’のようにはならなかったけれど、仲の良い先輩は太宰フェチだったし、「太宰は饒舌すぎて嫌い」と公言する国語教師(今考えれば、よく言ったよなぁ・・・)に若干の敵意を感じていたことも否めない。
そんなわけで、船上のお供はもちろん小説「津軽」
・・・が、である。
読んでいるとなんだかこちらが恥ずかしくなるような赤裸々トークに、正直、「饒舌すぎて」と感じてしまう私。
私小説、という分類になるのだろうけど、心の動きを「あっちだ、こっちだ、いや、でもこうなんだ、、、」なんて書き綴ってあるのが恥ずかしくてしょうがない。
実際に旅をしている津軽の情景描写は良いけれど、太宰の心理描写には参ってしまった。トホホ・・・である。

お蔭でお芝居に入り込めるか若干の不安を抱えながらの観劇となったけれど、演劇「津軽」は素晴らしい!の一言に尽きる。
場内は撮影できないので、雰囲気はこちら⇒「まるごと青森」にて。

お芝居は、太宰本人の語る「津軽」と同時に、少年太宰(一輪車に乗った若い津軽美人が演じる)、「津軽」を辿る旅をする現代のライターの女性2名が同時並行で登場するオムニバス形式で進む。
時空を越えたやり取りもあるのだが、不思議と違和感はなく、よく混乱してしまう私でも大丈夫(笑)

そして村田雄浩さんの演じる太宰はちっとも饒舌ではなく、朴訥としたはにかみと、ほどよくオブラートに包まれた不安と安堵が入り混じり、愛すべき太宰だった。

出演されているほかの役者さんも皆、昔の津軽を髣髴とさせるのに充分な演技。特にクライマックスの太宰が育ての親(女中)たけ、と再会するシーン。淡い桜の花びらが舞う中でとつとつとたけが思い出を語る。たけを演じたのは地元の女優さんなのか、もしかしたら演劇界の人ではないのではないかと思うけれど、津軽弁の中に落ち着いた慈愛を感じさせる語りだった。津軽弁を解さない私でも、きっとそれが外国語であっても、あの花びらのような言葉の響きは観ている人にしみわたったんじゃないかなぁ~と思う。

休憩時間に、お芝居の中でも出てくる津軽料理を再現したお弁当が観客に配られるという仕掛けもなかなかオツ。
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ただ、お弁当が人数分なかなか届かず、休憩時間が押し、終演時間が押したのは、ギリギリのフェリーで帰らねばならない私にとってはハラハラもんだったのだけど(終演ダッシュ&タクシー飛ばし、まさに冷や汗&汗だくだ・笑)

おかしなもので、帰りのフェリーで読む小説の残り部分は、愛すべき太宰にすっかり入れ替わってしまっているのだから、人間の(いや、私の、かな?)感覚なんて単純なものだ。

そして、当初、一緒にお芝居を観にいこうかと話していた津軽っ子のTちゃんは、結局タイミングがずれて観ることは出来なかったのだけど、お父さん発案のドライブがまさに金木~竜飛と「津軽」をたどる旅だったという。


「津軽」のテーマはざっくり言ってしまえば「故郷」だろう。
東京に出た津島修治(=太宰)が旅をした津軽には、その土地で営みを続ける縁故者や繰り返す四季があることを、読むほうも一緒になって確認するのだけれど、一方で現代に生きる私にとって、そういう意味での「故郷」はもはや存在しないんだよなぁ・・・なんてことも考える。
核家族化して、親の仕事の都合で住み着いた街。
確かに私の故郷なのかもしれないけれど、親戚もいなければ、親の小さい頃の思い出さえない。とか。
まぁ、そんなことをグダグダ書き出すと終わらなくなってしまうので、止めておくけれど、私にとっての「故郷」ってなんなんだろう。きっと、同時代の多くの人の心に引っかかっている疑問符なのかもしれないなぁ。
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2011.05.02 / Top↑
八戸港の被災によって苫小牧~青森の代替運航を行っているシルバーフェリーを利用して、青森へプチトリップに行ってきた。
臨時でフェリーが停泊する堤ターミナルから8kmほど歩いて、途中でヒッチハイクして車に乗せてもらった。
1台目は酸ヶ湯温泉の調理師さん。
東北各地では観光客のキャンセルが相次いで廃業を余儀なくされている旅館も多い中、八甲田は例年の7割程度の入りこみ数だとか。「一人も解雇されないだけ有難いですよ」の言葉がずしりと響く。


猿倉温泉で先行していた方々と合流。
高田大岳などなど、周辺を滑る。
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八甲田へは厳冬期しか来たことがなかったのだけど、たおやかな山々を滑り歩くには春がイイと実感。
札幌ナンバーの車でこのあたりをウロウロしていると「そんなに雪、違うか?北海道にも雪は降るだろぅ?」と言われる、とは、通いなれた親分の言だけれど、、、そこに流れる独特の雰囲気が良くてやっぱり足が向いてしまう。
宿泊した猿倉の温泉濃い硫黄系のお湯が素晴らしい。
大町桂月で有名な蔦温泉にも入って、八甲田満喫。

下山後は青森で時間が余ったので、大好きな町、弘前へ。
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弘前城の桜まつりは2回目。北海道のエゾヤマザクラも好きだけれど、やっぱりソメイヨシノも見たいのですよね。本州産の人間としては・・・
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七分咲きのこの日も、人・人・人、市内は大渋滞。日ごろは人ごみは苦手だけれど、今年の弘前にこんなに人が来ていることは嬉しかった。
一人なので、出店の買い食いも、桜の下の宴会もしないけれど、充分に花を楽しみました。

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↑こちらは弘前駅で行き当たった津軽三味線の被災地復興ライブ。
電車待ちの時間、聴き入ってしまいました。もちろん、(わずかだけど)募金もね
2011.05.02 / Top↑