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八日目の蝉 こころと脳の対話 


「八日目の蝉」角田光代

不倫相手の赤ん坊を誘拐して逃亡、4年間育てる女が第一章の主人公
本来の親元に戻るも、仮面家族の中で育った女子大生が第二章の主人公
設定があまりにもとんでもない、いや、でも現代ならあり得る話か・・・?
と、微妙に冷めた目と、少し温かい心を維持しながら読めるちょっと不思議な小説。
角田さんのエッセイを読んで、相当に(いい意味で)変な人だと好感を持っていたので、小説は初めてだったけどナルホド~と納得。
登場人物のほとんどが女性。それぞれの心理が書き込まれていて、各人の心に沿って読めるところが魅力でした。
NHKドラマになったんですね。
観てないけど、これは活字がいいような気がする。映像では生々しくてきっと苦手。


「こころと脳の対話」河合隼雄&茂木健一郎

お二方の複数回にわたる対談を収録したもの。
示唆に富む言葉が沢山。自分的に心に残ったところをメモφ(._.)メモ
・近代科学が排除してきたもの
科学は微妙なニュアンスを切り捨てるところから始まるけれど、僅か百数十年前にはこんな論文が・・・《私は苔むした美しい岩に目を留めていた。その後ずっと滝を見ていて、そこから目を離すと、苔むした岩が逆方向に動いているのが見えた》~一方向に動いているものを見続けた後、そこから目を離すと逆方向に物が動いているように見えることについての論文の序章。
現代だと《滝の落ちる速度は秒速何メートルで・・・》と書かなければならないけれど、心の動きとしては「苔むした美しい岩」を見ているほうが意外と本質だったりして。⇒素敵過ぎる

・関係性でのみ成り立つ確実性
今の脳科学では、非合理的なものは「不確実性」と捉えられるが、シンクロニシティは実は確実なものなんじゃないか。また、シンクロニシティとは自分の無意識と外のものが呼応すること。箱庭(療法)はこの無意識の噴出である。
・「偶然」というものを大事にする
・臨床心理学者としての河合隼雄の話を聞く態度
「中心をはずさずに」聞く。細部にとらわれない。バッターボックスに入ったバッター、あるいは五輪の書と同じ。
・「わかった気になる」落とし穴
属性でモノ・ヒト・コト(本文では諸外国)を判断しない。例えば近隣諸国で何か事件があると、それに引きずられて対中国観、対韓国観が動揺する。それに引きずられていると損するのにね。

あまりに広くて感想など書けないけれど、「偶然性を大切にする」は特に頷いた。
口にしたら「あなたのは行き当たりバッタリ、って言うのよ」って冷たい視線を浴びそうだから黙ってるのだけど、実は偶然性や第六感(ますます怪しい)は私にとってとても重要。
人生、冒険だからね

秘密のファイル 死ぬときに

「秘密のファイル CIAの対日工作」春名幹男
まだ上巻しか読んでいないけれど。。。
今まで断片的にだが、直接の話として見聞きしてきた種々の「ん?」(=具体的には書けないけれど、表の社会には出てこない事柄の断片は、超一般ピープルである私の近くにも沢山転がっている)の裏書を読んだ感じ。
本の中から例を挙げれば
・ポール・ラッシュ(=清里のキープ教会の創立者、いまや環境教育の総本山でもあり)が細菌人体実験の731部隊の石井中将の免罪に関わる工作に関与していた件
・大蔵省にCIAオフィスが置かれていた件
・山口淑子に情報工作員の嫌疑が掛けられ、イサム・ノグチとの結婚生活がすれ違いに終わった件
・日本の対米依頼心を強めるための情報操作、初期の民放ラジオ、TV番組はアメリカ大使館ラジオ部で作成されていた件
・日本の映画界でCIAやUSIAが演じた役割の大きさ
・綜合警備保障を設立した村井の正体 (防衛大、自衛隊とのコネクションいまだ強力)
しかしこういった本は全然読んでこなかったので、字面を追うだけで結構いっぱいいっぱい

「死ぬときに後悔すること25」大津秀一
1000人の死を見届けた終末医療の専門家が書いた、と副題にあるとおり。
正直、この先の時間を考えなくもない今日この頃、目に留まった本。といっても、図書館で大人気、何ヶ月か待ちました。
リビングウィルを明らかに、、などという項目はどちらかというと親に読んでもらいたい気もするが。。。
間違っても「この本読んでおいて」とは言えない
「夢をかなえられなかった」「健康を大切にしなかった」「仕事ばかりして過ごしてしまった」など、一つ一つは、普通に考えても後悔しそうな事柄が多いけれど、終末期の患者さんを多く見送ってきた著者の言葉には実感がこもっている。だから、まだこの先長い(と思われる)人にとっても、ふと立ち止まって考えるにはよいきっかけになる本だと思った。
加えて、心にしみる文章もあり、勝手に50代くらいのベテラン医師を想像して読んでいたのだけれど、途中で著者が自分より年下であることに気付いてすんごく驚いた。
いや、終末医療の現場に身を置くって、凄いことなんだな。。。


「速読記憶術」若桜木虔

面白かったのは、ここでも速読のために重要なのは、細部だけを注視せず、全体を掴む、武道と同じ、というようなことが書かれており、前日に読了した上記の本と共通項があったこと。まったく違う主旨の本なのに。同時に読んだということに、自分にとって何かの意味があるのだと思う。
もちろん、速読の目的は試験勉強や実用書を読むことであって、文章そのものを味わいたい小説や文芸書はその対象ではない。
圧倒的に好きな本ばかり読んでいる私にとって、この、情報を掴みながら読む、という行為は未だに難しいのです。正直、横書きのもののほうが情報はインプットしやすい。だから最も苦手とするのは歴史モノ。縦書きの年号なんて一向にイメージでも入ってこないんですよね、、、困った困った。
本題からそれるけれど、縦書きと横書き、それぞれの目の動きによって脳に与える影響を研究した人っていないのかしら・・・?



「津軽百年食堂」森沢明夫

弘前で食堂を営む家族。親子3代の物語。
最近耳障りな流行語「ほっこり」する一冊。
あまり多くは語るまい。

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2010.12.09 / Top↑