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先週末、函館で「五稜郭残党伝」の劇団さっぽろによる舞台がありました

前々からこのブログにも書いている、一番好きな小説家・佐々木譲さんの原作。
五稜郭の戦いの榎本軍(敗戦側)の兵士2人が脱走。官軍の討伐隊に追われながら、今でいう黄金街道を東へ東へ逃げてゆく。途中でアイヌの若者や混血の娘と合流しつつ、松前藩や幕府の愚政によるアイヌの困窮などが背景に流れるというような内容。実際に道内で見つかった2件の発掘物(年代物の輸入ビール瓶と2体の首のない白骨)を元に書かれた物語で、もしかしたら、本当にこんなことがあったかも・・・と思わせてくれるドキドキものなのです。
しかも個人的には東京OL時代にこの小説を読んで蝦夷地に思いを馳せていたので、、、思い入れ度200%

だいぶ前に、この作品の舞台化を知って、しつこいくらいに劇団に問い合わせるほど楽しみにしていました(笑)
http://gekidan-sapporo.com/kouen.aspx
チケットとともに届いたチラシを見て更にびっくり!なんと演出・脚本はNPO法人ねおすで学生をしていた頃にアイヌ学を習った計良先生、官軍の隊長は同じく演劇を習った金田一先生ではありませんか!!

奇しくも、一緒に学生をしていた春ちゃんが五稜郭の足元に住んでいるので、一緒に観に行くことに

当初、函館には週末土・日で行くつもりだったけれど、原作者の佐々木譲さんの舞台挨拶は金曜のみということで、突然半休をもらって駆けつけましたわ~い、片道5時間の運転もルンルンです。




お芝居を観るのは東京時代に友人が出演するときくらいだったので久し振りでした。

小説は頭の中で想像して、ある意味、勝手に登場人物を色づけしながら読めてしまいますが、お芝居は多くの人の考えや思い、舞台という制限された表現方法、という中で作り上げられるものですよね。
大の大人(それも大人数の)がそれだけのエネルギーをかけて作り上げるんですから、磁場のようなものが発して当然ですよね。
しかも残党伝は体制に迎合しない、強いメッセージが背骨となっているので、舞台で観るとかなり強烈でした。

お芝居の印象は、かなり原作に忠実。そして計良先生と奥様(アイヌの血をひいていらっしゃる)による正確なアイヌ語の再現、なんと!アイヌ同士の会話は本当にアイヌ語が使われていたんです!!これには驚かされました。
多くの人物が登場する舞台なので、同じ役者さんが2役、3役掛け持ちで演じていましたが、気になるどころか、衣装と立ち居振る舞いでこれだけ、役柄や年齢を演じ分けられるものかと思ったほど。殺陣も皆さん上手でした。

準主役にあたる鉄砲の名手・勇作は設定の年齢よりもだいぶ年上の役者さんが演じていました。ストーリー中、ほんの一瞬、隠れキリシタンの娘に恋心を抱かれるシーンがあるんだけど(舞台ではさらっと表現されてはいましたが)それは無理かも、、、(笑)なんて思ったりして

どんどん移動していく物語なので、舞台の上でどういう風に表現されるのか楽しみでしたが、高低差や斜度をつけた「すのこ」のような舞台装置で工夫されていたり、いろいろな角度、動線、観客の視線を駆使しての仮想空間がそこに生まれていました。普段ない視点なので、とても面白かった。

最後は2人とも殺されてはしまうのですが、一緒に逃げていたアイヌの混血娘ヤエコエリカのお腹の中には同じく一緒にいたアイヌ青年シルンケとの子が宿っており、彼女が追っ手を逃れてクナシリに渡ります。そこで、シルンケのような強くたくましい子を必ず育てるから、そして源次郎達の遺志を継ぐことを予測させるラストシーン。

ストーリーはもちろん分かっていますが、やっぱり最後はホロリときました。
原作者の譲さんは中盤から泣いていたそうです。
休憩時間、きまりが悪かった、とおっしゃっていましたが、そんなさなかに本にサインしていただいちゃいました
moblog_ff42c135.jpg


一観客なのに、なぜか舞台後の打ち上げ的な酒宴にまでお邪魔させていただき、譲さんの感想、過去に映画化の話もあったこと、劇団の西村社長からこの舞台のできるまでの紆余曲折、などなどを伺って、そりゃあもう、大興奮。。。

前日の札響に引き続き、眠れぬ夜を過ごしたのでした。
普段は爆睡なのに4~5回も起きちゃいました・・・(汗)
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2010.08.16 / Top↑